コラム「防音室(音楽室)を考える~豊田市での新築・増築工事を例に」
住宅建築では、工務店・家を造る者としてお客様の要望にお応えする事が大事なことの一つだと考えています。
とあるお客様のご要望は防音室(音楽室)を造ることでした。
防音室といいましても防音・遮音材を内装材に使った軽微な防音室から、部屋の中に空気層を挟み、もう1重壁、天井、床を組み、防音ドアを設けたしっかりとした防音室(音楽家さんが使うような)まで色々とあります。
以前建築した住宅を例に説明いたします。防音室をお考えの方はどのような防音室が望みなのか考えてみてください。
🎹グランドピアノが演奏できる音楽室の増築工事♪ In 豊田市市木町
既設の住宅と出入口のあるホールとつなぎ、造り付け本棚があるピアノ演奏できる音楽室をご希望でした。
外壁はブラックの防火サイディング、屋根はガルバリウム鋼板で仕上げ、すっきりとした平屋の増築です。
屋根は断熱材を屋根部材の下に入れ込み、勾配なりで梁を見せた形で、壁は断熱材の上に石膏ボードを2枚張りにクロスを張りました。サッシは樹脂サッシの内窓を付け、2重の窓となっています。
大きな掃き出し窓と明り取りの窓で太陽光がたっぷり入り、木板の壁材と床材、太い上り梁の入った温かみのある音楽室(10畳)ができ上りました。大収納の本棚・グランドピアノを置くため床補強をしています。こちらは防音性能としてはあまり高くありません。費用としても普通の仕上げに比べ2倍もいかないと思います。しかし温かみのあるリラックスできる空間で、気持ち良く演奏することができるのではないかなと思っています。
🎹完全防音のシックな防音室のある新築工事♪ In 豊田市桝塚西町
お客様は現在でもコンクール等にエントリーする方で、防音室でも演奏者にはきれいな音色を、家の中や家の外の方にはご迷惑をおかけしないようにと、本格的な防音室をご希望でした。第一楽器さんへご相談され、その楽器の特性や音の伝わりを考え、実際に体験することによりご決定されました。まず、普段の壁・天井の施工ボードを2重張りし、床の合板との間に隙間を設け音の伝わりを絶ちます。
床には吸音材のようなスポンジを敷き詰めて、空洞を作ります。
イメージとしては箱の中に箱が浮いているような感じです。隙間は約5センチです。
サッシは樹脂サッシの内側に2重にサッシ、合わせて3重のサッシが付けられました。
掃き出しサッシの隣りはロスナイ換気扇です。室内の捨ててしまう空気を再利用(熱回収)し、暖かい空気はそのまま、冷たい空気はそのままに換気するものです。
部屋出入口のドアは防音性が高く、重量があります。さらに、調音パネルを取り付けるとのことです。こちらの防音室は防音性能が非常に高く、外の方には演奏の音がエアコン室外機の音と同じくらいです。費用もとても高価になります。しかし演奏する方にとってご近所、周りの方に心おきなく練習することができる素敵な空間となりました。
この新築住宅の完成写真がこちら
さて、防音については立地や考え方によりお客様それぞれで大きく違います。お客様のご希望に合わせたご予算、やり方を考え、ご満足いただける防音工事を行います。このように特殊な仕様、特別な仕様についてもお話しいただければご対応いたします。まずはお話お聞かせください。