コンパクトかつ快適に暮らす家【豊田市桝塚西町 M様邸】
■ 建築地 : 豊田市桝塚西町
■ 構造規模: 木造二階建て
■ 延床面積: 96.06㎡(29.0坪)
お客様との出会いは豊田市桝塚西町の自社分譲地にお声を掛けていただいたことでした。
自然素材に興味をお持ちになり、「雨楽な家」の仕様である真壁にしっくい塗り、床板に無垢のひのきのフロアーを採用しました。お客様との打ち合わせの中で「畳の上でゴロゴロとくつろぎたい」とのご要望に、和室+リビングダイニングの快適空間を計画いたしました。
建前日はしっかり雨予報となってしまい、柱、梁が濡れてしまうとシミが残ってしまうためやもなく断念しました。しかし日取りがとてもよかったため7寸の大黒柱のみを立てることになりました。偶然にも雨が少し小降りになりお客様自ら掛矢を振ることができました。その後日を改めて建前も無事に済むことができました。
完成した新築住宅は素材にこだわり、使い勝手を重視した家が出来上がりました。
玄関正面に階段を配置し、柱を立てることによりアプローチとリンクさせ、玄関スペースを広く見せることができました。玄関には両側に靴だけではなく大きな荷物も収納できる土間収納となっています。
LDKは対面式キッチンにアパートでお使いだったダイニングテーブルを置く計画をしました。造作のテレビ台はお客様と相談しながらデザインしました。長さ2、7mあるテレビ台は3本の引戸を付け、レコーダーの収納部分のみ透明のアクリル板を入れ、引戸のレールは2本分にすることによりレールの幅を狭くし収納スペースを広くとれる工夫がなされています。
ダイニング・リビングにつながっている和室は床の間、地窓、吊り押入れのある機能的でモダンな和室となりました。畳部分は4.5畳しかありませんが収納や床の間により、とても広く感じることができます。床の間の掛け軸掛けに天然木、大黒柱横には耳付き(皮部分を残した)の無垢の一枚板を配し、こだわり場所が随所に見受けられます。畳の緑、漆喰の白、木材の黄土色(薄茶色)が映えるきれいな部屋になりました。
1階トイレは床が掃除しやすいように水に強い竹フロアーの塗装品を使用しています。壁には鏡面仕上げのボードを張りました。背面には小さな棚を取付け、トイレに必要なものを最小限置けるようにしました。
2階寝室は勾配天井により実際の8畳より広さを感じることができるようになっています。漆喰壁の明るさで清潔感があり、調湿、消臭効果が期待できます。ここにはウォークインクローゼットともう一つ扉があります。その扉を開けるとさらに上に上る階段が現れます。
3階?と思われる方もいると思いますが小屋裏部屋へ行く階段です。はしご階段が多いのですが、お施主様のご希望でこのような形になりました。この部屋の天井高さは人が立つことができない1.4m以下ということで建築確認では小屋裏部屋として申請しています。ただ、収納としてはかなり広い空間が出来上がりました。旦那様は自分の書斎にとおっしゃっていました。
そしてこの勾配天井の上には太陽光パネルが乗っています。屋根形状を片流れにすることによりたくさんの太陽光パネルを乗せることができます。パナソニックHIT245αの5.88kwの太陽光パネルが設置してあります。
お施主であるM様ご夫婦が職人さんとお話ししたり、職人さんや私達の作業を真剣に観察し、家ができていく過程を一つ一つ楽しんでいた様子がとても印象的でした。たくさんたくさん打合せを重ね、人となりが素敵なM様ご夫婦の家づくりにご協力できて大変光栄です。今後柱、床などの木部分がきれいなアメ色へ変化していく様子が楽しみです。
【番外編】
漆喰塗体験を寝室にて行いました。左官屋さんお手製の漆喰を乗せる台と小手を使い、漆喰の仕上げ塗りをしました。やり方を教えてもらうと、奥様はもくもくと手を動かし約1m×1.7mの広さを何度も何度も撫でていらっしゃいました。左官屋さんのお墨付きもいただき、きれいに仕上がりました。