最近(2018年)の新築一戸建住宅の特徴は?ZEH住宅とは?
現在、これからの新築一戸建住宅の特徴は?
住宅の特徴は、住む人其々の好みや考えにより、デザイン・間取りは多様化し、趣味やこだわりに特化する家も少なくありません。なのでここでは国の政策や先端技術の導入などにより、新築住宅がどの様に変化していくかをまとめてみたいと思います。
Net Zero Energy House=ZEH住宅(ゼッチ)
住宅に興味をお持ちになられた方なら、一度は調べてみたワードかと思います。これから、住宅を建てるにあたって標準的なものとなっていく省エネ住宅です。ZHE住宅について少し掘り下げて書こうと思います。
ZHE住宅とは、住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることにより、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅を指します。使うエネルギー以上のエネルギーを創る生活の出来るお家です。
国が進めている「エネルギー基本計画」(2014年4月閣議決定)において、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均で住宅の年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロとなる住宅(の実現を目指す」とする政策目標を設定しています。
それに合わせ、各ハウスメーカーは20年目標を掲げ、ZEH住宅の標準仕様化に向かっています。工務店などでもZHE住宅を売りにしている会社さんも多々います。
ZEH住宅に適合するお家とは? その条件は!
1.高断熱で気密性の良い住宅
外部の影響を受けにくく、中の熱を逃がさないお家。窓の性能・大きさも大きく影響します。
2.高効率な設備を導入する
給湯器(エコキュートやエネファーム)、LED照明器具、エアコンなどで高効率の設備を使用する
3.太陽光発電システム等の導入
生活で使う電気は、自家発電で少しでもまかなうという考え方。蓄電池まで設置できれば、より効率的に発電した電気を利用できます。そのことにより創エネ機器と蓄エネ機器を組み合わせた新築住宅も多くなってきています。エネルギーを生む設備は他にもあると思いますが、太陽光発電が導入費用も安価です。
4.HEMSを導入する
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略です。家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムで、家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニターで確認できる設備です。また、インターネットに接続することにより、設備を制御したりすることもできます。これから、いろいろな事が見える化・遠隔操作の出来る事が広がります。
ZEH住宅は、2020年には多くのハウスメーカーが建築件数の内50%以上をZHE仕様で建てる目標を掲げています。なかには、90%以上という数字を掲げているメーカーもあります。
ZEH住宅以外の省エネ住宅
・「ZEH+」ZHEから更なる省エネ・再生エネルギーの自家消費量の拡大を求められる
・「低炭素住宅」一次エネルギー基準をZEH以上に求められる
・「高度省エネ型住宅(認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅・ゼロ・エネルギー住宅)」地域のルールに従ったグループで行う木造住宅
・「BELS認定住宅」省エネ性能を示す5段階の星印で評価した
・「LCCM住宅」建物のサイクルコストまでを考えた未来型省エネ住宅
さまざまな省エネ住宅があります。補助金の制度が活用できる場合もありますので、気にかけてみてください。環境省・経済産業省・国土交通省が其々に、様々な補助を出しています。提供する側も、知識が追い付かずこんがらがってます。
ZEH住宅をはじめ、省エネ住宅のデメリットは?
省エネ住宅の条件として、高い気密・断熱性能が求められます。建築コスト(設備や断熱材、サッシ等)も当然掛りますが、快適な室内温度など室内環境とエアコンなど空調設備のランニングコストの削減を考えたらお金を掛ける価値があると思います。
・ハウスメーカーの動向
豊田市・岡崎市では、軽量鉄骨のメーカーさんの新築現場をたくさん目にします。三河地域には自動車関連企業が多く、トヨタホームさんもそのひとつです。トヨタホームなどの鉄骨プレハブ工法のメーカーさんは、ZHEの2020年目標数値は、50%~70%を掲げています。プレハブメーカーの大型分譲地を見ると、同じような形で、開口部分の面積も少ない物件が並びます。省エネルギー基準をクリアするためには、一定の規格の中では同じような形・デザインとなってしまいがちなのです。プレハブメーカーなどでは、規格の範囲で対応できる間取り・開口であればZHEも可能でしょうが、ZEH住宅にすることにより、希望の間取り、開口、大空間を設けることが叶わない事もあります。
・工務店、大工の動向
在来軸組工法・ツーバイフォーなどの木造住宅ではどうでしょうか?多くの工務店・大工さんが得意としている木造住宅。ハウスメーカーでも住友林業さんなどがあげられます。工務店・木造メーカーのZEH実績・目標は最低限といった感じです。中には、ZHEに特化した会社もありますが、コストが気になる所です。
もともと、木造軸組み工法は、住宅デザインに柔軟に対応できる特徴があり、大きな吹き抜けを作ったり、窓など開口部を広くとったり、位置を自由に決められたりと、デザイン性の高い住宅を作れるというメリットがあります。しかしZHEでの基準では、大きな吹き抜け・広く開口を取るなどの木造の良さがマイナスポイントになってしまいます。それを断熱性能等でカバーすることになるのですが、断熱性能を上げるということは、断熱材の質・厚みを増すということになります。大壁の家(柱の見えない内装の家)では、壁内の断熱を増したり、外張り断熱と併用も可能だと思いますが、昔からの真壁つくりでは、コストもかかり対応が難しくなります。プレハブ工法と同じように一定の規格を持って、ZHEに取り組めば普及も進みますが、木造のメリットを生かした木造住宅は、お客様にも負担が大きいこととなります。注文住宅だから出来る事も多いですが、現場仕事の多い木造住宅では、建築コストが多くかかります。
まとめ
国の進める省エネルギー住宅。これからの住み心地や環境、コストの事を思ったらとても大切なことです。しかしこれから長く住まわれるお家です。
・どの程度の省エネルギー住宅に住みたいか?
・間取りで譲れないところはどこなのか?(窓の大きさなども)
・予算は合うのか?
折り合いの付け所を見つけることがとても大切です。