古民家を進化させた家【豊田市 O様邸】

■ 建築地 : 豊田市宮口町

■ リフォーム区分:古民家リフォーム


 

都築建設が三代にわたりお世話になっているお客様から、譲り受けた古民家をリノベーションしたいと相談を頂きました。豊田市が行っている耐震診断の結果をもとに、現状の間取りの良さを生かして、設備面の向上と耐震性・耐久性の改善することを目的にお客様と共に頭を悩ませました。

 

外壁・内壁を解体し、構造躯体を表(あらわ)し(柱・梁などの構造体だけにすること)にしたときに、梁の上から出てきた木札には、『安政七年 閏三月吉日』と記してありました。西暦にすると1860年となります。150年以上前の建物に手をかけるということで、職人さん達と身震いしたことを思い出します。

 

土台・柱・梁などを確認して、腐りや虫食いなど傷んだところの部材の入れ替えをして、傾きの補正を行いました。

 

玉石基礎(石の上に柱を乗せた基礎)であったため、土台にアンカーボルトの設置・土台下で通気を確保・土間コンクリートの打設をして土台と基礎を緊結し補強をほどこしました。

 

 

 

 

木構造自体も柱・壁の追加・構造用合板を外壁部分に使用して、構造自体の強度を向上させ、接合部には構造金物を使用して既設の接合部等の補強を行いました。リビング・ダイニングには、魅せるかたちで筋交いを設置し、間取りを優先し出来るだけ雰囲気を崩さないように強度向上をはかりました。

 

内装は、既設の梁や柱に合わせ黒を基調に仕上げました。柱・梁・建具などは、清掃して仕上げの塗装をし、壁は漆喰、床はフローリング仕上げとしました。

 

古い建物なので梁の高さも低く、天井は2階の床と兼ねています。古民家の風情を残すためには梁を隠すわけにいかないので、職人さんと電気の配線・照明器具の選定には頭を悩ませました。

 

 

玄関スペースは、吹き抜けとなっており立派な梁を眺めることができます。そこからは昔ながらの間取りをそのまま生かし、リビング~和室~仏間と建具を介して続きます。反対側はプライベートスペースとなっています。水廻りなども1階にあり、生活はすべて1階で完結できます。

 

 

大きな梁がめぐる蚕(かいこ)部屋であった2階には、吹き抜けと畳敷きのロフトスペースを設けました。風の抜けるロフトスペースは、夏場の昼寝に最適です。その隣には畳敷きのフリースペース。お孫さんがお泊りに利用したり、趣味友達の集い場となっています。

 

 

O様の現場を通して、古民家に昔ながらの日本の住まいの味わいや良さを感じ、先祖から代々受け継ぎ、思い出のつまった家を将来に残していきたいと思われることに、携われたことに喜びを感じ、知見を広めることが出来た現場でした。