建て替えかリフォームか迷ってしまったら…

家が古くなってきた。介護などの理由で利便性を高めたい。そんなとき、家を建て替えるか、リフォームするかというご相談をよくいただきます。建て替えとリフォーム、どちらにするのが良いのか、それぞれの特徴とコストについてお話ししたいと思います。

 

「建て替え」と「リフォーム」の違い

まず、「建て替え」と「リフォーム」の違いを説明します。

建て替えは、今ある住宅の“基礎部分”から取り壊して、更地から新しい家を建てることです。どんな家を建てるかで変わりますが、費用は1000~4000万円、工期は4~8カ月くらいと、費用面においても工期面においても、リフォームよりも大がかりになります。

リフォームは、今ある住宅の基礎部分と構造の骨組みを残したまま、部分的に修繕したり改築したりして、建物の機能を回復することです。どの規模のリフォームをするかで費用は異なり、数万円の部分リフォームから1000万円以上の大規模リフォームまでさまざまあります。工期もリフォームの規模により異なりますが、総じて建て替えるよりは低コスト且つ短期間になる傾向があります。

 

費用を比較するときは、長い期間を考えて

では、予算に限りがある場合はリフォームのほうがいいの?と思われるかもしれませんが、もう少し長い目で見て頂くと、実は建て替えのほうがトータルコストが安くなるケースも多いんです。

 

リフォームは、使える部分をできるだけ再活用するので廃棄物が少ないのですが、残す部分を傷めないように注意しながら作業をするため、作業効率が落ちる場合があります。そうすると、工事単価は高くなります。つまり、リフォームは新築に比べて割高になりやすいのです。

さらに、今回はここが気になるから、と一部をリフォームしても、他の部分は古いままなので必然的に近い将来「今度はこっち」となるパターンが多くあります。そうなると、割高な部分工事を重ねていってしまうことになるので、何度か繰り返しているうちに気付いたら家一棟新築できるだけの金額が掛かってしまった、というケースは少なくありません。

建て替え、リフォームに関わらず、「家と永く付き合っていきたい」という気持ちは皆さん同じだと思います。私たちもそう願っています。そして、“永く付き合う”ためのコストを考えるには、長い年月でどれほど修繕やメンテナンスにお金が掛かるか、を考えて頂きたいと思います。

 

災害に備えるためには「建て替えが安心

建て替えとリフォームで決定的に違うのは、建物の構造です。最初に書いたとおり、リフォームでは基本的に構造の部分には手を加えませんので、建物の強度は古い家のままとなります。家の最も重要な役割である「家族を守る」という観点からすると、リフォームでは不安が残ります。

 

日本の住宅は、家を新築するときの法律によって構造の強度基準が違っています。特に、昭和56年以前に建てられた家は、現在の耐震基準を大きく下回っていますので、国や地方自治体が耐震リフォームの補助金を出して修繕を促進をしているほどです。(補助金のお話しはまた別の機会に改めてしますね)

 

ただ、耐震リフォームとなると壁を剥がして行う大がかりな工事になりますので、結局建て替えるのとほとんどコストが変わらない、ということもよくあります。

 

建て替えかリフォームか、どっちを選ぶべきかの答えは、ご家庭の事情、長期間でのコスト比較、住宅の耐震構造、の3つがポイントになります。家庭の事情は皆さんそれぞれかと思いますが、長期間でのコスト比較と耐震構造の判断は素人ではなかなか難しいので、専門家に相談しながら検討するのがお勧めです。都築建設でももちろんご相談にのりますので、お気軽にお声かけ下さい(^^)。

文責:都築歩