最近(2018年)の新築一戸建住宅の性能は?
新築一戸建て住宅の性能について
今現在、マイホームの取得・建替えをお考えになられている方々は、新しい新居に対して要望・希望・
願望と様々な思いがあると思います。新居に求める要望は、現在の住まいであったり、
今まで育った家が基準となり形成されます。しかしそのお住まいも一世代・二世代前に建てられた
住宅がほとんどです。いざ見学会・住宅展示場に行くと現在の住宅が今お住まいの住宅に比べて格段
進歩していることが体感でき、驚かれることも多いと思います。そこで、現在の新築一戸建住宅の
性能について簡単にまとめてみました。
住宅の性能について
どなたでもわかりやすく住宅の性能を表す指針として、『住宅品質確保法に基づく住宅性能表示制度』
というものがあります。 国が定めた基準により、第三者機関が客観的に建物は安全か、快適に過ごせるか
などを評価して、住宅を簡単に比較することができる制度です。評価基準の必須4項目を説明したいと思います。
『住宅性能表示必須4項目』
1.構造の安定【耐震等級】
地震・風・積雪に対しての建物の強さを評価します。
点数が高いほど、建物の強度が高く、頑丈な家です。
2.温熱環境・エネルギー消費量【断熱等性能等級・省エネルギー基準】
暖房や冷房を効率よく行うための断熱対策がとられているか、
省エネ効果の高い設備(給湯器・空調設備など)や太陽光発電などのシステムが
備え付けられているかといった点をチェックします。
3.劣化の軽減【劣化対策等級(構造躯体等)】
骨組みが劣化しづらいような対策がとられているかという点を評価します。
木造では柱が腐りにくいか、鉄筋コンクリート造りでは柱や梁のコンクリートが
もろくなりにくいか、鉄骨造では鉄部分が錆びにくいかといった点が特にチェックされます。
4.維持管理・更新への配慮【維持管理対策等級】
家の中に布設されている排水管・水道管・ガス管の点検や清掃、修繕のしやすさを
評価します。これらの配管類は複雑な配置で設計されていた場合、修繕や取り替え時に
時間と費用が掛かります。また、災害時にも復旧まで時間がかかるので等級が付けられます。
お客様とお話ししていると、今後の地震に備えて『構造の安定【耐震等級】』とエアコン等の
空調設備の料金を気にされて『温熱環境・エネルギー消費量【断熱等性能等級・省エネルギー基準】』
に興味を持たれる方が多いです。今回は、以上4項目から2分野(構造・断熱と省エネ等級)について
詳しくまとめました。
1.『構造の安定【耐震等級】』
構造には木造(在来軸組・ツーバイフォー工法)・鉄骨造(重量・軽量)・鉄筋コンクリート造・
鉄骨鉄筋コンクリート造などがあります。
豊田市・岡崎市・安城市など西三河地区では、住宅では木造と鉄骨造で建築されている
現場がほとんどです。構造の強度は強いに越したことはありませんが、費用・工期など様々な要件を
考慮して選択する必要があります。
木造の在来工法は、レイアウトの自由度が高く、狭い土地や傾斜地でも対応しやすく、
費用・工期とバランスが取れた構造です。また、耐震性や防火性も費用をかけることにより
性能を上げることが可能です。
鉄骨造の中でも、重量鉄骨造は強度もあり、広々とした空間を設けることができる工造です。
しかし住宅建設で目にするほとんどが軽量鉄骨造です。軽量鉄骨造は、柱と梁、「ブレース」と
呼ばれる筋交いで強度を保つ構造で、プレハブ系ハウスメーカーがこの構造です。
工場生産による品質管理・規格生産による工期管理がされ、木造より短期間で完成します。
それぞれの構造のメリット・デメリットを知り、構造・耐震に対する等級を考える必要があります。
構造の性能では、開放感・広さを求めると強度が落ちてしまったり、窓などの開口の位置、
大きさや建物形状などにより、強度も大きく変わります。リビングに求める大きさ、間取りなど、
新居に求める空間的な要望を検討する必要があります。
2.温熱環境・エネルギー消費量【断熱等性能等級・省エネルギー基準】
断熱・省エコにかかわる分野の事です。生活していく上で、ランニングコストや
直接的に健康にかかわる分野となります。温熱環境性能も「省エネ対策等級」
で示すことができます。
なかでも断熱性能は、少ないエネルギーで冷暖房効率を高めたり、家全体の温度差を
少なくしてくれるなど、温熱環境性能の基本となる性能です。断熱材の種類や工法等に関係なく、
家全体の断熱性能(外皮平均熱貫流率:UA値、熱損失係数:Q値)や夏期の日射遮蔽性能
(冷房期平均日射熱取得率:ηA値)で示し検討しています。難解な言葉・単位が並び、少し難しいと
感じてしまいますね。簡単に言うと、建物すべてから逃げていく熱の量を、建物が外気に接している
部分の総面積、で割ったもの。
すなわち、面積あたりで逃げていく熱の量の指標となります。UA値が小さいほど、熱が逃げにくい、
断熱性能が良い、ということになります。各地域に対応した、UA値、ηA値の基準を満たし、
夏も冬も快適な環境であるかを示す基準となります。
また、一次省エネルギー消費等級は、生活する地域で定められている基準一次エネルギー(石油、石炭、
天然ガス、ウラン、太陽光、水力、風力などのエネルギー)と、新築する住宅の設計エネルギー
消費量と比較して等級付けをします。住宅で実際に消費する一次エネルギー量を計算する際は、
空調や冷暖房設備や、給湯設備などの機器類が消費するエネルギーを合算して算出します。
太陽光などの創エネルギー設備、コージェネレーション設備も考慮して設備の面から
省エネの基準を等級として表します。
『温熱環境・エネルギー消費量』は、直に体感できる指標となります。肌で感じ、お財布にも影響します。
ヒートショック(各部屋の温度差)による事故などを防ぐために気に掛ける必要がありますね。
まとめ
住宅の性能について簡単に書かせていただきましたが、等級のいいお家が住む方にとって住みよいお家
とも限りません。性能のいい家は、当然コストもかかります。数値を求めることと、希望を叶えることで
相反する所も生じてきます。どこで折り合いを付けたらいいのか、その中で家族のベストの住宅性能を
チョイスすることができるようにアドバイスいたします。
もちろん都築建設では木の家を主体に皆様に木の良さを感じていただき、そのことに加えて耐震性を
考えた間取り、構造や、快適さを求めた温熱環境や省エネを考慮した家づくりを目指しています。
木の家の良さを生かした住みよい環境について質問などありましたら、是非お聞きください。