吹き抜けのメリットとデメリット
「吹き抜け」は、ご存知のとおり1階から2階にわたって天井がなく繋がっている空間のことをいいます。最近では、吹き抜けを希望されるお施主様がたくさんいらっしゃいます。そんなとき私たちがお客様に必ずお伝えするようにしている、吹き抜けのメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。
吹き抜けのメリット
・開放感でリラックス
吹き抜けのメリットといえば、やっぱり開放感。上階の天井まで見渡せて、圧迫感を感じません。実際、お客様から「開放感があってリラックスできる」という感想をよく頂きます。
・明るさを確保できる
吹き抜けがあれば、土地の面積が狭かったり、隣家のすぐ近くに建てたりする場合でも、上部からの光を確保できます。一昔前の住宅では「昼間でも1階は電気を付けっぱなし」というお話をよく聞きますが、吹き抜けをうまく取り入れることで、家中に光を届けることができます。
・風通しがいい
周辺環境や間取りにもよりますが、吹き抜けは風通しを良くする効果があります。空気は温度差によって上下に動くため、1階と2階を効率よく風が流れます。「シーリングファン」を設置すれば、より高い効果を期待できます。
・家族の気配を感じる温かい空間に
1階から2階まで空間が繋がっているため、ご家族の気配を感じられます。特に二世帯住宅や子育て世帯の場合、家族の存在は安心に繋がりますし、家族との距離が近くなりますよ。
吹き抜けのデメリット
・光熱費が高くなる心配がある
皆さん一番心配されるのが、光熱費の問題です。1階で温めた空気が2階へ逃げたり、熱気が2階部分に籠ってしまうのでは、というご質問をよく頂きます。ただそれは、今ほど住宅の断熱性や気密性が高くなかった頃のお話です。家全体をきちんと断熱をして、家の中の温度のどの部屋も均一にすることができれば、熱効率の心配はぐっと減ります。
・家族の生活音が気になる
家族の存在を感じられる一方、生活音が気になるという方も稀にいらっしゃいます。1階で使っている掃除機の音が2階まで響く、とか、勉強している子供部屋にテレビの音が聞こえる、などです。音の問題は図面上では気付きにくい点ですが、設計段階で対策を施す必要がありますので、モデルハウスで事前に実体験して頂くのがお勧めです。
・メンテナンスや掃除が難しい
天井が高いため、照明器具の交換や窓の掃除には手間が掛かります。清掃業者に依頼するとお金が掛かってしまうので、2階部分の窓のそばに「キャットウォーク(保守点検用の狭い通路)」を設けるといった方法をお勧めしています。
・2階の面積が減ってしまう
吹き抜けは1階と2階を繋いでつくるので、2階の面積が減ってしまいます。部屋数や収納スペースを削ることになるので、いかに空間を有効活用して必要なスペースを確保するか、設計時に十分な検討が必要です。
やっぱり吹き抜けはお勧め!
吹き抜けにはデメリットもありますが、どれも家の造りを工夫することで解決できることばかりです。一昔前のブームで「吹き抜けは素敵、でも問題も多い」という印象が広まってしまいましたが、住宅の性能が向上し、今ならメリットを十分に楽しめると思います。実際に、都築建設のモデルハウスも吹き抜けと同じような間取りになっていますので、興味のある方はぜひ遊びに来て下さいね。