収納配置のポイントは、収納率と適材適所
家を建てるとき、生活空間と収納場所のバランスに悩むお客様はたくさんいらっしゃいます。広々ゆったりと暮らしたい、でも収納も欲しい、そんなジレンマが生まれるからです。
今回は、片づけしやすく暮らしやすい家づくりのコツをお伝えします。一緒に収納上手な住まいを目指しましょう!
収納率の“目安”は12%程度
「収納率」という言葉をご存じですか?
収納率は、住宅の床面積と収納面積の比率のことで、一戸建てでは約12%程度の収納率が目安と考えられています。(家族構成や生活スタイルで異なる場合もありますが)
収納率を計算するときは、腰までの高さの下駄箱や台所の吊戸棚などは含まないので注意して下さいね。
収納率に含まれる“収納”とは「床から天井までの空間が収納スペースであること」を意味します。なので、納戸やウォークインクローゼットは計算に含んでOKですが、小規模な収納スペースは計算に含めません。
収納率は住宅設計の段階で目安になる数字です。でも、収納率を満たすように納戸を設ければいいという話ではありません。ここで大切になるのが、どこにどんな収納場所をつくるか、「適材適所」に作られているか、ということです。
生活動線を考えて配置する
まず、どこに収納場所があったら便利かを、家族の生活習慣から考えてみましょう。家族の生活動線上に収納場所があれば、日常的に活用しやすいからです。そして、それぞれの場所に何を収納するかをイメージしていきます。
このとき、リビングにも収納場所をしっかりとつくることをおすすめします。家族が集うからと広々と間取りを考えがちですが、収納がないと常に散らかっているリビングになってしまいます。1階にLDKがある場合、収納場所を確保できなくなって、2階に多めに収納をつくることがありますが、使い勝手が悪いのでお勧めはできません。
次に、来客があったときを想定してみましょう。人に見られてもいい物と見られたくない物があると思います。見られたくない物は隠れるように工夫して、見られても問題ない物はディスプレイのようにオシャレに飾るのもいいですね。
工夫して収納上手なマイホームに
土地のスペースは限られているので、収納場所の確保に苦労される方がいらっしゃると思います。でも、収納面の問題は、工夫次第でクリアできることが多いです。高さ90㎝以下の低い棚なら、視覚を遮らないので空間を広々と感じさせてくれますし、「床蔵収納」や「小屋裏収納」を設ければ生活空間を残したまま収納場所を増やせます。
とは言っても、図面上ではどうしてもイメージがしにくいものです。収納を上手に配置するコツは、設計者とお客様がたくさんお話しをし、“どんな生活をしたいか”、“日常的にどんな動きをしているか”を一緒に図面に落とし込んでいくことだと思います。ぜひ、たくさんお話しを聞かせてください。一緒に“暮らしやすい”家づくりをしていきましょう。
文責:都築歩